基金拠出型医療法人の設立時の税務上の留意点

1.交際費等の損益不算入制度
交際費等の損金不算入制度について、資本金又は出資金の額が1億円以下の法人に係る定額控除限度額は年600万円です。
基金拠出型医療法人は出資のない法人であるため、次の算式により計算した金額を資本金等に準ずる金額として損金算入限度額を計算することになります。
{期末総資産簿価-期末総負債簿価-(当期利益又は当期損失)}×60%=資本又は出資の金額に準ずる額 (貸借対照表に当期利益が計上されていればその金額を控除し、当期の欠損金額が計上されていればその金額を加算します。)
 なお、交際費等の損金不算入制度の適用期間は、現在のところ、平成26年3月31日までとされています。

2.寄付金の損金不算入制度
 基金拠出型医療法人の場合、寄付金(国等への寄付金を除く)の損金算入限度額は、事業年度の所得金額の1.25/100に相当する金額です。

3.消費税の納税義務
 個人開業医が基金拠出型法人を新設した場合、設立後2期間は消費税の納税義務が免除されます。基金拠出型法人については出資ではなく基金拠出となること等が、その理由です。
 また、設立後、基準期間(その事業年度の前々事業年度)の課税売上高が1,000万円以下なら免税事業者となり、5,000万円以下なら簡易課税制度の適用対象となります。
 なお、平成25年1月1日以後に開始する事業年度から、その事業年度の前事業年度(7ヶ月以下のものを除く)開始の日から6ヶ月間の課税売上高が1,000万円を超える場合には免税事業者ではなくなる等、免除要件が変わります。

4.均等割
 基金拠出型医療法人は出資のない法人であるため、地方税の均等割は各税率表の最低金額が適用されます。

5.基金の相続税評価
 基金拠出額は出資ではなく、債権です。債権の相続税評価は、一般的に元本の価格と利息の価格との合計額により評価されますが、基金の返還に係る債権には利息を付すことができないと定められています。したがって、基金拠出した額以上には評価されないということになります。