配当所得に関して行う確定申告の総合課税有無

.配当所得についての確定申告は、必ず総合課税によって行わなければならないのか否かを教えてください。

平成21年1月1日以後に支払いを受けるべき上場株式等の配当等(一定の大口株主等が受けるものは除かれます)については、総合課税に代えて、申告分離課税を選んで確定申告を行うこともできます。ただ、確定申告する上場株式等の配当所得の全額について、総合課税と申告分離課税のどちらかを選択しなければなりません。

 総合課税というのは、種々の所得の金額を合計して所得税額の計算を行い、確定申告によりその税額を納める制度のことです。総合課税によって確定申告をすれば、一定の配当所得を除いて配当控除の適用を受けることができます。
 そして、申告分離課税というのは、一定の所得につき、他の所得金額と合計せず、分離して税額の計算を行い、確定申告によりその税額を納める制度のことです。

ちなみに、原則として、配当所得については確定申告する必要がありますが、上場株式等の配当等(大口株主等が受けるものは除かれます)、一定のものについては、確定申告不要制度を利用することも認められています。

なお、私募公社債等運用投資信託及び特定目的信託(社債的受益権のみ)の収益の分配に係る配当については、源泉分離課税の適用があり、所得税15.315%、地方税5%の税率による源泉徴収だけで納税が完結することから、確定申告を行うことはできません。

譲渡損失・配当所得の損益通算への繰越控除の手続き

金融商品取引業者等を通じて上場株式等を売却したこと等により生じた損失とその年分の上場株式等に係る配当所得(申告分離課税の適用を選んだもののみ)を損益通算することが可能であり、損益通算によって控除しきれない損失額は、翌年以降3年間にわたり、株式等に係る譲渡所得等の金額及び上場株式等に係る配当所得の金額から繰越控除することができるそうです。このような繰越控除をするためには、どのような手続きが必要でしょうか?

このような繰越控除をするためには、以下の手続きが必要です。
1.上場株式等に係る譲渡損失が発生した年分の所得税につき、「所得税の確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)」及び「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」を添付した確定申告書を提出すること。
2.以後、連続して、「所得税の確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)」を添付した確定申告書を提出すること。
なお、株式等の譲渡がなされなかった年にも、譲渡損を翌年へ繰り越すには申告する必要があります。
3.この繰越控除の適用を受けようとする年分の所得税につき、「所得税の確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)」及び「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」(後者は株式等に係る譲渡所得等の金額があるときに限定されます)を添付した確定申告書を提出すること。

特殊の評価方法を使う特定の評価会社の範囲

一般の評価会社とは別に株式の評価方法が決まっているという特定の評価会社は、どのような会社なのでしょうか?

次のような特定の評価会社の株式に関しては、原則として、下記1から5までは純資産価額方式によって評価し、6は清算分配見込額によって評価します。
また、下記1から4までの会社の株式を同族株主以外の株主等が取得したときは、特例的な評価方式である配当還元方式によって評価してもいいことになっています。
1.株式保有特定会社(総資産価額に占める株式・出資の価額の合計額の割合が一定以上の割合である会社のことです)
2.土地保有特定会社(総資産価額に占める土地等の価額の合計額の割合が一定以上の割合である会社のことです)
3.開業後3年未満の会社等(相続であれば被相続人が死去した日、贈与であれば贈与により財産を取得した日である課税時期において開業後の経過年数が3年未満である会社や、類似業種比準方式により評価する場合の三つの比準要素すなわち配当金額・利益金額・簿価純資産価額の直前期末の要素がいずれもゼロである会社のことです)
4.比準要素数1の会社(類似業種比準方式により評価する場合の三つの比準要素すなわち配当金額・利益金額・簿価純資産価額のうち直前期末の要素のいずれか二つがゼロで、かつ、直前々期末の要素のいずれか二つ以上がゼロである会社のことです)
5.開業前又は休業中の会社
6.清算中の会社

取得費がない株式などに対する税額

株式等の.取得費が分からないときはどうすればいいのかを教えてください。

株式等を購入してから長い年月が経っている場合、相続した株式等を譲渡した場合等に、取得費が分からないことがあります。株式等の取得費が分からない場合は、同一銘柄の株式等ごとに、売却代金の5%相当額を取得費の額とみなすことが認められています。

例えば、ある銘柄の株式等を400万円で譲渡し、取得費が分からないときは、売却代金の5%相当額である20万円を取得費とみなすことができます。

ちなみに、実際の取得費が、売却代金の5%相当額に満たないときにも、取得費が分からないときと同様に、売却代金の5%相当額を取得費の額とみなすことが可能です。