申告分離課税で行う配当所得の確定申告

配当所得に係る確定申告は、申告分離課税によって行うことができる場合がありますか?

2009年以降に支払いを受けるべき上場株式等の配当等(一定の大口株主等が受けるもの以外)に係る確定申告は、総合課税のほかに、申告分離課税によって行うこともできるといえます。なお、総合課税によるか、申告分離課税によるかの選択は、確定申告をする上場株式等の配当所得の全額につき行うことが必要です。

 各種所得の金額を合計して所得税額の算出をし、確定申告によってその税額の納付をする制度を、総合課税と呼びます。総合課税によって確定申告を行うと、一定の配当所得を除き配当控除の適用を受けられます。
 また、一定の所得について、他の所得金額と合計しないで、分離して税額の算出をし、確定申告によってその税額の納付をする制度を、申告分離課税と呼びます。

配当所得については確定申告をするのが原則とされていますが、上場株式等の配当等(大口株主等が受けるもの以外)、一定のものに関しては、確定申告不要制度を選択することも可能です。

ちなみに、私募公社債等運用投資信託及び特定目的信託(社債的受益権のみ)の収益の分配に関する配当には、源泉分離課税が適用されることから、所得税15.315%、地方税5%の税率による源泉徴収だけで納税が完結し、確定申告することはできないといえます。

配当所得・譲渡損失の損益通算の繰越控除の手続き

上場株式等を金融商品取引業者等を通じて売却したこと等によって発生した損失とその年分の上場株式等に係る配当所得(申告分離課税の適用を受けることとしたものに限定されます)を損益通算することができ、損益通算で控除しきれない損失の金額は、翌年から3年間にわたって、株式等に係る譲渡所得等の金額及び上場株式等に係る配当所得の金額から繰越控除を行うことが可能であるとのことです。こうした繰越控除のために、いかなる手続きをしなければならないのですか?

こうした繰越控除をするために必要な手続きは、以下の通りです。
1.上場株式等に係る譲渡損失が発生した年分の所得税に関し、「所得税の確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)」及び「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」の添えられた確定申告書の提出。
2.以降、連続で、「所得税の確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)」の添えられた確定申告書の提出。
ちなみに、株式等の譲渡のなかった年においても、譲渡損を翌年へ繰り越すためには申告しなければならないとされています。
3.この繰越控除の適用を受けようとする年分の所得税に関し、「所得税の確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)」及び「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」(後者に関しては株式等に係る譲渡所得等の金額がある場合に限られます)の添えられた確定申告書の提出。

特殊の株式評価方式に詳細

特定の評価会社の株式は、一般の評価会社とは違った方法で評価されるそうですが、その方法はどのようなものですか?

以下のような特定の評価会社の株式は、原則として、下記1から5までは純資産価額方式により評価を行い、6は清算分配見込額により評価を行うこととされています。
また、下記1から4までの会社の株式を取得した同族株主以外の株主等に関しては、配当還元方式(特例的な評価方式です)により評価をすることも可能です。
1.株式保有特定会社(株式・出資の価額の合計額の総資産価額に占める割合が一定以上である会社をいいます)
2.土地保有特定会社(土地等の価額の合計額の総資産価額に占める割合が一定以上である会社をいいます)
3.比準要素数1の会社(類似業種比準方式によって評価する場合の三つの比準要素つまり配当金額・利益金額・簿価純資産価額のうち直前期末の要素のいずれか二つがゼロであり、かつ、直前々期末の要素のいずれか二つ以上がゼロである会社をいいます)
4.開業後3年未満の会社等(相続のときは被相続人が死亡した日、贈与のときは贈与によって財産を取得した日である課税時期において開業後の経過年数が3年未満である会社や、類似業種比準方式によって評価する場合の三つの比準要素つまり配当金額・利益金額・簿価純資産価額の直前期末の要素がいずれもゼロである会社をいいます)
5.開業前又は休業中の会社
6.清算中の会社

株式などに多雨する取得価額が不明である時

株式等の.取得価額が不明です。この場合、いかにすればいいですか?

相続した株式等を売却した、かなり前に購入した株式等であるといった場合には、取得価額が不明であることがありますが、このように株式等の取得価額が不明であるなら、同一銘柄の株式等ごとに、売却代金の5%相当額を取得価額とみなすことが可能です。

具体的には、ある銘柄の株式等を300万円で売却し、取得価額が不明であるなら、売却代金の5%相当額といえる15万円を取得価額とみなすことが認められています。

そして、現実の取得費が、売却代金の5%相当額より少額である場合にも、取得費が不明である場合と同様に、売却代金の5%に相当する額を取得価額とみなすことができます。